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赤ちゃんへの離乳食導入方法「BLW」について

こども ニュージーランド 赤ちゃん 離乳食
Baby-led weaning (赤ちゃん主導の離乳、以下BLWと略)という言葉を聞いたことがありますか?
(注:現在NZの保健省はBLWを推奨していません。BLWに関しての研究例がまだ乏しいため、公衆衛生上、既存の離乳方法の代替案として推奨できうるかどうか判断する前に、赤ちゃんの発達、栄養の観点から安全かどうかの証拠が必要であるという姿勢です。)

BLWとは赤ちゃんに離乳食を導入する方法のひとつで、以下の特徴を持ちます。
– 赤ちゃんにあげるのは最初の食べ物から従来のピューレではなく、指でつまめる大きさで用意する
– お母さんがごはんをあげるのではなく、赤ちゃんが出されたものの中からどれを食べるか選択し、自分で口に運ぶ
– 現時点で推奨されている方法と同様に、母乳またはミルクを補う離乳食は赤ちゃんが離乳食を食べる準備ができていること(例:助けなしで座れる、自分で食べ物をつかみ口に運べる、食べ物への関心を示しているなど、目安は生後6ヶ月あたり)に始める

BLWはこれまでの離乳食に代わって、人気があるようです。従来の離乳食とは赤ちゃんが発達上準備ができた段階(生後6ヶ月ごろ)にスプーンでピューレをあげ、その後数ヶ月間にすり潰したものや細かく切ったものに移行していくというものです。生後7~8ヶ月ごろに赤ちゃんが自分で食べ物をつかめたり、口に持っていき噛めるようになってから指でつまめる食べ物をあげます。

BLWを支持しているひとにはこれまでの離乳食よりたくさん利点があると考えています。例えば、完母と同じように、赤ちゃんが自分で食べる量を決めるのを継続することで肥満の発生を防げると考えるひともいます。BLWのおかげで、乳児が空腹や満腹に気づくきっかけになるかもしれません、そうすればエネルギーを自分で調整できることにつながるかもしれません。それが本当なら、NZやあちこちで問題になっている肥満の増加を解決できるかもしれません。しかし、BLWでは乳児の鉄分量が不足したり、食べ物を喉に詰まらせたり、乳児の成長が不安定になるという懸念もあります。

BLWに関しての研究例はまだ少ない状態です。保健省がBLWを推奨するには、先に挙げた懸念は正しくないという証拠、また体重増加を防止するなどの利点の証拠がまだ集まっていません。

BLWの研究は続いているので、結果が上がり次第、保健省がBLWについて再検討する予定です。

私の個人的な環境では、ニュージーランド人のママ友の間でも人気があり(いとこの小児科医を含む)、実践した人からはBLWはすばらしいという意見ばかりでした。私自身も早い段階から赤ちゃん自身が目の前の食べ物に自分で関心を持って、自分で食べ物に触って、口に運ぶという行動は赤ちゃんの感覚にとっていいことなのではないかと思い自分の子たちにも実施しました。が、やはり喉につかえそうという不安や栄養の偏りという懸念もあり、最終的にはすり潰した離乳食と半々くらいの割合で与えていました。

(執筆/Akiko