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華子さんインタビュー 【第2話/イラストレーターの仕事をはじめた理由】

華子さんインタビュー 第2話 hd

第2話は、華子さんの「イラストレーターの仕事をはじめた理由」のお話をお伺いしていきます。

どのようにしてイラストレーターのお仕事を始められたのですか?

絵を描くのが大好きで、仕事にしたいと心のどこかにあったと思うのですが、そこに気づくまでにとても時間がかかり、遠回りもしました。

華子さんインタビュー 第2話 1

第1話でお話させていただたように、ロンドンの大学では心理学を学んでいたのですが、ここの大学は、芸術系が強く世界的に著名なアーティストやミュージシャンを輩出したりとても華やかでした。

私自身も心理学の勉強をしながらも、音楽サークルに入ったり、大学内の卒業生の展示を見たり、自分の研究も「アートと心理学の関係」に取り組んだりと、気がつけばまた自分は心理学よりもアートに近いところにいました。

卒業してからは、ロンドンの日本航空の会社で働いていたのですが、数年後、主人が勤務していたコンピューターの会社でインターン(職業体験制度)をさせていただく機会がありました。

その時に、初めてwacomタブレットと専用のペンを使ってコンピューターで絵を描き始めたのです。それが面白くてインターン終了後も時間があれば、家で絵を描き楽しんでいました。

華子さんインタビュー 第2話 2

出来上がった絵を自分でプリントしてフレームに入れたり、グリーティングカードやTシャツを作ったり、いろいろな物を自分でアレンジしていると、どんどん作品が家に溜まってきたので、週末にそれらをマーケットで売り始めたのです。

それがなかなかの評判で、マーケットを中心に、グループ展や個人の展示をしたりと活動の幅を広げていきました。

ある時、クリスマスマーケットに参加し、その時に見に来てくれた方が今のイラストエージェント(代理店)のオーナーだったのです。後日、彼女から「あなたと契約したい」という話があり、彼女のエージェントに所属することになったのです。

日本でもイラストレーターの仕事をされていたのですか?

はい、ロンドンではエージェントとの契約はしたものの最初から順調ではありませんでした。しかし好きなイラストを描くことを続けられたのは、私をずっと信頼し見守ってくれたエージェントの方と、主人のおかげですね。

ロンドンに滞在して8年経ったころ、第一子を妊娠し二人とも家族が近くにいないこともあり、私も出産は実母のいる日本を希望し、2011年にイギリスを離れ主人と一緒に日本に移住することにしたのです。

子育てをしながらもイラストのお仕事が出来ないかと思い、日本の出版社にポートフォリを送っていたら、ひよこクラブを出版している会社の担当者の方からご連絡をいただき、付録絵本のイラストを依頼されたのです。これが私の初めての絵本のイラストのお仕事です。

華子さんインタビュー 第2話 3

もともとは環境や国際問題など大人の話題をテーマにした絵を描くことが多かったのですが、少しずつ子供を意識した可愛いキャラクターなども描き始めたところ、ひよこクラブの担当の方が私の描いた可愛いキャラクターに目を留めてくださり、子供の絵本のお仕事が始まったのです。

ロンドン大学中から私の中での漠然とした”子供との関わり”は、絵本のイラストを描くということで繋がったような気がします。

(第3話へつづく)

イラストレーターという仕事は、基礎を学ぶということでは専門学校などあるようですが、国家資格などはなく実力社会だそうです。
年々イラストレーターの方の質も上がり、新しいパソコンや流行り、絵本のニーズなども変わるので、きっと日々の努力も必要なのでしょう。

そんな中、華子さんが話してくれたのは、「私は絵や言葉を組み合わせて想像し、一から作りだす事が好きなんです。」と。
この言葉を聞いて、彼女の描くイラストは、好きだからこそ努力も楽しく感じ、何もない所から組み合わせて作りだす彼女の感性、これこそが彼女の強みなんだと改めて感じました。

さて次回第3話は、「ニュージーランドへ来られたきっかけ」「絵本の良さ」などのお話を伺いしました。日本でイラストレーターとしての仕事も増えてきた中、家族でニュージーランドに移住するということは、大きな決断があったと思います。また、絵本を作る側としての絵本のお話は、とても興味深いお話でした。どうぞお楽しみに!