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めぐみ先生インタビュー 【第3話/KANADEを始めたきっかけと特長】

めぐみ先生インタビュー 第3話 ヘッダー

第3話では、新しく始めた音楽教室「KANADE Japanese Choir Auckland」の詳しいレッスン内容や特徴についてお話をしていただきました。

KANADEを始めたきっかけを教えてください。

ニュージーランドでプロの演奏家として活動しながら、並立して、日本語補習教室で日本語を教えていました。日本語を教える、音楽を教える、ジャンルが違うように思えるこの二つですが、これらはどちらも「生涯教育」であるという共通点があり、生きていく中で終わりのない付き合いになるものです。

英語であれ、日本語であれ、人間は言語を話します。
そして、何かのメロディーを聞かない日はないくらい、世界には音楽が溢れています。人生で切っても切れない関係である「言語」と「音楽」、嫌いにならずに子供達の中にいきづいていってほしいという思いが強くあります。

自分も子育てをするようになり、改めて外国で生きていくことの苦労に直面することにもなりました。常に考え続けていることは、子供たちにとって残り続ける日本語「生きる日本語」とはなんだろう、ということです。

音に乗せた言葉は、ふとした瞬間に心によみがえります。あの頃に歌った歌の一節が風の匂いにのって思い出されたり、時には目に映る景色が歌を思い起こすきっかけとなったり、その中で存在し続ける「言葉」は、大人になって、どんなに歳を重ねても色褪せることなく思い出されるのです。

あの頃ピンとこなかった歌詞の意味が、今なら涙が出るほど染みる、という経験が私たちにもあると思います。机上だけでは得られない学びがそこにはあります。

このニュージーランドで育つ子供たちへ、日本の言葉を音に乗せて残したい、そして音楽を知り、学ぶことでもっと未来への可能性を広げ大きく羽ばたいてほしい。

そんな思いが募るにつれ、これまでは演奏者として表現する側に重きを置いてきた自分に、今度は後継を育てることが私の役割、という気持ちが芽生えました。こうして「KANADE Japanese Choir Auckland」を開講するに至ったのです。

めぐみ先生インタビュー 第3話 2

KANADEの特徴を教えてください。

KANADEのレッスンでは、ただ歌うだけの時間にはしないよう、歌/セオリー/ソルフェージュを年齢と適正に合ったカリキュラムで持ち時間を構成しています。

現在は、4歳ごろから始める「ひよこクラス」、7歳から始める「ひばりクラス」と2つのクラスがあります。

どちらのクラスとも「正しい音楽を聞く」「正しい音程で歌う」ことを大切にし、音楽理論(楽譜、楽語)をゆっくりと、しかし確実に習得することを目標としています。

4歳〜6歳の子供たちが通う「ひよこクラス」のレッスンは、その年齢でしか伸ばせない音感教育に重点を置き、音を正確に聞き取る、リズムをとる、テンポに合わせて身体を動かす、といった、脳を使って考えるよりも感性を引き出す訓練に時間を多く使っています。

4歳頃の子供は、合唱というスタイルで「皆と一緒に歌を唄う」という行動がまだ容易ではありませんので、徐々に慣れ、自信をつけて臨めるように毎回の積み重ねを大切にしています。

なるべく多くの曲数を、と思っていますが、歌詞も覚えてほしいので、繰り返しの練習は欠かせません。

そして、歌う時間と同等、またはそれ以上の時間をリズム練習や合奏に使うことで、いろんな角度からの音楽を体感、子供たちそれぞれの「得意」を楽しみながら伸ばせるよう工夫しています。

カードゲームや小さな打楽器を使っての音階・リズムトレーニングは、遊びながら学び、身につけることに最適で、子供達も楽しみながら取り組んでいます。

7歳以上の子供たちが通う「ひばりクラス」のレッスンは、言語理解能力の高さと声域が幼児よりも広いという強みを活かし、「ひよこクラス」の倍の時間を歌唱に充て、セオリーの時間では楽譜を直にみながら楽譜と対峙していきます。

歌詞の意味を知り、心情を読み取って歌う。正しい発声法を学び実践することで、美しく歌いあげる醍醐味を味わう。音楽理論では子供たちの「へぇ〜そうなんだ!」という気持ちを大切に、もっと知りたい!という知識欲を高めていく。これらのことをいつも心掛けながら、丁寧に指導しています。「わからない」をそのままにしないことで、苦手を作らない、音楽が得意だと誇れるように、力を身につけていきます。

(第4話へつづく)

めぐみ先生インタビュー 第3話 1

ピアノ教室など楽器を教えてくれる所はたくさんあるけれど、こういった楽譜の読み方や正しい発声法など音楽の基礎を教えてくれる音楽教室というのは、ニュージーランドではなかなかないですね。

小さい頃に、こういった音楽教室で基礎を習って、音楽を楽しむことを学んでおくと、今後成長したときにどの楽器に興味をもっても、この基礎が活かされることになります。

歌を通して日本語を学ぶことは、とてもいい方法であり、また自分で作りだす“人生の楽しみ”の一つではないかと思います。

音楽は心の栄養っと言われるほど不思議な力を持っています。
子供を育む上でとても大切なものですね。

さて最終話では「KANADE Japanese Choir Aucklandの今後」をお伝えしたいと思います。どうぞお楽しみに!

聞き手/Takako(こどもニュージーランド)