第9回のインタビューは、日本人で初めてニュージーランドの助産師としてご活躍するパホモフ由香さんにお話を伺いました。
これから全3話にわたり、ゆかさんからニュージーランドで助産師としてご活躍され、また実際の助産師の仕事の裏側などのお話をお伺いしていきます。
ゆかさんの生い立ちを教えてください。
私は、四国の高知県で生まれ育ち、東京、神奈川で看護師として約10年働きました。
その間にロシア人の夫と結婚、2006年に新婚旅行でニュージーランドに行きました。その時に感じた「この国で暮らせたらいいなぁ~」という思い、2児を授かった後、その時の思いから4年後の2010年5月に子育てに適したニュージーランドに引っ越しました。
夫のワークビザで移住してきてすぐに第3子を授かり、ニュージーランドのことがよく分からないまま妊娠、出産を経験しました。2011年には無事に永住権を取得し、日本在住時から抱いていた助産師になりたいという夢が諦められず、2012年、第3子が1歳になる頃にまずは英語から、本格的に助産師になる目標に向けて勉強をし始めました。
助産師になったきっかけ
自身の妊娠出産の経験を通し、女性の体の神秘、妊娠出産が奇跡の連続で起きていること、赤ちゃんの強さに感動し、助産師に興味を持ちました。出産はゴールではなく子育てのスタートであり、家族の生活が一変することを経験し、その大変な時期に女性をサポートし、スムーズに子育てのスタートができるように援助したいと思い、助産師を志すようになりました。
ニュージーランドでの助産師の資格は大変だと聞きますが、実際どういう資格が必要ですか?
入学要件は、理系であること、高校の成績が優秀であること、IELTS7.0以上(英語圏以外の高校を卒業した場合)。もし理系でない場合、高校の成績が優秀であれば、Health Science学部にとりあえず入学し、First semesterで共通科目を受講し、その成績が優秀であるとともに、助産学科に空きがあれば、助産学科にSecond semesterから入ることができます。
入学後は、3年間で合計9 semestersを修了し、国家試験、IELTS7.5以上(英語圏以外の高校を卒業した場合)にパスし、国家資格が与えられます。3年間はまともな休みはなく、ほとんど授業、実習、実習の提出物、実習の合間にある筆記試験、口頭試験と、ストレスを開放する時間もなかったですね。
また、助産師の仕事は不規則なので、家族、友達との時間はほぼ皆無です。試験の基準も厳しく、同期で一緒に卒業したのは3分の1ほど。一度スタートしたら4年以内に卒業をしなければならないので、一つでも試験を落としてしまうと、1年後はその科目をやり直すことが出来ますが、その後はあとがないのです。。。
勉強や実技の量、後がない、先が見えないというストレスで本当に辛かったです。
当時は、ただひたすらに与えられた課題を必死でこなし、無我夢中で少しずつ進んでいったように思います。
(第2話へつづく)
ニュージーランドでの助産師の道のりは「ものすっごく大変」って聞いたことがあります。
ゆかさんから、具体的にその道のりを聞いてホントにびっくりしました!!
そのうえ、ゆかさんは3児の母でもあります。どこにそんな時間があるんだろう??と素人の私ながらもビックリです。
「今の主人でなければ絶対、助産師への道のりは難しかった。」と言います。
「最後の実習は世界中どこでやっていもいい」という3週間の実習。その上、日本に行くので、ゆかさんは、実習前後に1週間ずつ休みももらい合計5週間も家をあけたそうです。
その間は家を留守にするので、育児や家のことはすべてご主人がされたそうですよ。
たしかに、ご家族の協力がないと難しい職業かもしれませんね。しかし、それでも助産師になりたい!というパワーはどこからくるのでしょうか?
そんな魅力を次回の第2話でお話してくださいました。
第2話は、ゆかさんの助産師としての具体的なお仕事やこれからニュージーランドで出産されるママさんへのアドバイスをお伺いしました。
どうぞお楽しみに!